仁義

ひとりさんの詩のなかに「仁義」というお題の詩があります。

「たった一度の人生を世間の顔色うかがって・・・・」と始まります。

 

私はこの詩が大好きで、とても心を打つので読んでは泣けてきて、少し進んではまた泣けてという感じで、最後まで読むのに何回も止まっていました。

 

そしたら、ひとりさんのお弟子さんの宮本社長が、大声で電話の向こうからでもはっきりわかるくらいに大斉唱するという話をされていて、私も一度やってみようと思い、車の中で、

 

「仁義~たった一度の人生を~世間の顔色うかがって~」と応援団の団長風に言ってみました。

 

私の嫁ぎ先は田舎でしたので、町内の行事や風習がたくさんありました。

そしてご近所つきあいもありましたので、周りの目がとても気になる環境でした。

また、姑と同居もしていましたので、夫婦げんかなどをしているとすぐに姑がやってきて、「近所に声がきこえるから、恥ずかしいやろ」とたしなめられていました。

 

何を言い合っているかよりも、とにかく近所の目が恥ずかしいから、やめなさいという義母に納得のいかないものを感じていました。

 

それでもいい嫁を演じていた私は、この「仁義」という詩を大声で言い続けることで、心の中のもやもやが吹っ切れていくのを感じました。

 

前回も書きましたが、そんな中で、私の家を出ていくという覚悟は強いものになっていったのです。

 

つづく。